2月某日ある通勤途中の朝のことでした。
最寄りの駅に到着してみると7時35分に起きた車両点検のため電車が通常ダイヤより約15分ほど遅れて走行しておりました。私も乗り換えのため早足でホームへ向かうと乗り換えるホームにはいつもの電車に乗れず、待たされているサラリーマンや学生で溢れかえっておりました。
その状態で数分待った頃でしょうか、アナウンスで運転再開を知らされ私の周りにいた方たちも安堵の表情を浮かべておりました。しかしながら到着した電車にはホーム上に溢れかえった人が一気に乗り込むわけですからいつにも増した満員電車です。
次の駅に着くと、また我先にと電車に乗り込んで来ます。2駅、3駅を過ぎた頃には、気づくと身動きがとれないほどの混雑となっておりました。そんな時でした。電車の中央あたりから「降ります」と女性の小さな声が聞こえて参りました。
ホームから多くの乗客が乗り込んできたため周りの乗客は乗り込んでくる乗客に押されどうすることも出来ず、その女性は降りるどころか前に進むことすらできませんでした。すると近くにいたサラリーマンが「降りる方がいます」と声を発すると次々と乗り込んでくる乗客にむかって「降りる方がいらっしゃいますよ」と声が広がっていったのです。
すると乗り込んできた乗客も一度ホームへ降り女性が下車し、女性の周りの乗客は道をあけ一旦は、降りることを諦めかけた女性は周りの乗客に「ありがとうございます」と御礼の言葉を言い残し無事に降りることができました。
一人の女性のために声を発し、その声が広がった。人と人との親切の輪を感じました。
「降りる方がいらっしゃいます」そんな当たり前の一言ですが、恥ずかしいとか、自分には関係ないとか考えなかなか言い出せない人もいるかと思います。
自分自身ハッとさせられた出来事でした。困っている人にはただただ手を差し伸べるそんな人間にならなければいけないと再認識致しました。
このブログを読んでいただける方々にもぜひこんな事を当たり前にできる人間であってほしいと思います。