2018年11月6日火曜日

下町の方は親切です。


七年前、浅草の浅草寺に家族で初詣に出かけた時の話です。

 

元旦という事もあり、仲見世通りは人でごったがえしており、イモ洗い場状態でした。

当時三歳の娘は当然自力で歩ける状態ではなかったので、だっこをして何とか本殿までた
 
どり着きました。賽銭箱の前で賽銭を投げようとした瞬間、耳元で「パチン」と大きな音
 
がしたかと思うと、娘が大声で泣き出しました。最初は何が起こったのか解かりませんで
 
したが、娘の額を見て、後方から飛んできた賽銭が額に当たったのだと解かりました。額
 
の一部が赤く腫れていました。その場から離れ、境内の角に避難しました。
 
そこへ娘の泣き声に気付いた40代位のご婦人が近づいてきて、「お嬢ちゃん、どうした
 
の?」とやさしく声を掛けてくれました。娘は一瞬「きょとん」として、泣き止みました
 
が、またすぐに泣き出しました。それを見て、「お嬢ちゃん、ちょっと待っててね」と
 
言って、人混みに消えたかと思うと、すぐに戻ってきました。そして「お嬢ちゃん、どう
 
ぞ」と鈴の付いたおもちゃ(でんでん太鼓)を差し出してくれました。娘は泣き止み、笑
 
顔になりました。

 

下町の方の親切に触れて、心温まる一日でした。