2016年6月23日木曜日
この国の人情はまだ生きている。
私事ですが、早いもので会社員人生も三十数年が過ぎました。
おかげさまで、電車通勤も長い時間を経たことになります。
電車の中でも、いろんな人々が、様々なスタイルで過す姿を見てきました。
そこで、テーマの親切心とは少し違うかもしれませんがその一齣を書かせていただきます。
毎朝の普通の通勤で、毎日おなじみの満員電車で移動中のことでした。
ある駅から大きな鞄を背負った、おそらく新入の中学生と思われる、少しひ弱な、
帽子もぶかぶかの小さな子供が一人で乗ってきました。
乗った当初は、電車内にも少しゆとりがあったせいか、ドアの前に立っていました。
しかし、二つ目の駅に着く頃はさすがに、ぎゅうぎゅうの状態となり、
いつものように私も我慢の状態です。
さらに電車は進み、また駅から人が乗り始めたときに、中学生が思わず 「苦しい・・」
との呻き声、車内で聞こえた瞬間、誰ともなく「子供・・・」という言葉がきこえました。
と同じ瞬間に、周りにいたサラリーマンの何人かが手すりを利用して踏ん張り、周りの
みんなも気を使い、子供の間にわずかなスペースをを作りました。
中学生の子の帽子は斜めの状態で、辛うじて頭に乗っているような状況ですが、
なんとなくフーと、一息ついたような感じが見えました。
踏ん張る大人は、それどころじゃなく必死ですが、子供を守ろうとする暗黙の連帯感
というものをその時に感じ、勝手ながら、この国の人情はまだまだ生きているとやや
大げさかもしれませんが感した次第です。
おかげさまで、その日はいつもの地獄の通勤電車とは全く違う、自分たちの生きてる世界
は、捨てたものじゃないと一人満足した次第です。