あるバスに乗車しているときのことです。
突然、バスの後方でゴトンという大きな音がした瞬間、
一人の中年の男性が倒れて、近くの女性が「誰か救急車を呼んでください」
と叫ぶ声に後ろを振り返りその状況を知りました。
バスは急停車し、バスの中は大騒ぎ、私は前のほうにいたために動けず。
運転手は慌てているせいか、車の外を歩き回りながらどうしようというばかりで
話にならない。
吃驚したのは、近くにいた乗客全員が倒れている人を跨いで通り過ぎ
バスからさっさと降りて何事も無かったように去っていく姿。
残ったのは、私ともう一人の中年男性と運転手、運転手は相変わらずおろおろとするのみ。
やばいと思い、咄嗟に倒れている男性に向かい、意識の確認、脈の確認をとりながら
消防署に連絡、救急隊に男性の現状況を伝え救急依頼を行いました。
やがて救急車が到着した時に男性の意識が少し戻り、私に手を合わせておられました。
まだしゃべれない様子でしたが、それだけで私も良かったと思いました。
バスの中の人間たちももう少し助けるとかできないのかと、半分怒りを覚えながら
反面、突然ながら昔の経験が生きて、対応ができたことが嬉しくその場を去りました。