2017年4月30日日曜日

学生時代の出来事

私がまだ学生で、某ハンバーガー屋でアルバイトをしていた時のことです。

いつもご利用いただいているお客様で、車椅子でいらっしゃる方がいました。

私がシフトの時間によくいらっしゃり、決まったセットを頼んで少しお話をして
テイクアウトする、というのがいつもの流れでした。


ある日、いつものようにいらっしゃったのですが、肩の調子が悪いという事で、
車椅子を漕ぎづらそうにしておりました。
テイクアウトの際に、「帰りはタクシーで帰るよ」と言い、道路際でタクシーを捕まえようと
手を挙げて待っていました。

しばらくして2,3台のタクシーが通ったのが見えたのですが、そのまま通り過ぎて行ったので、
「先客がいたんだろう」と思っていたのですが、その後もタクシーが捕まりません。

おかしいと思って声を掛けてみると、「何台か空車マークが出ていたけど、
自分が車椅子だからか、目が合っても通り過ぎてしまう」と、とても悲しげなご様子でした。


いてもたってもいられなくなった私は次のタクシーが来るまでお客様と一緒に待ち、
私が手を挙げる形でタクシーを捕まえることができました。


それからというもの、その方の肩の調子が良くないときは私がタクシーを捕まえる、
というのが恒例になりました。

ある日、そのお客様から「あなたがいない時でも、あなたの対応を見た他のスタッフたちが
同じようにタクシーを捕まえてくれるんだ。昼間の忙しい時間でも同じようにしてくれる。
本当にいつもありがとうね」というお言葉を頂き、「こういう行いって広がっていくんだなぁ」
と心が温かくなったのを覚えています。


今も分野は違えど同じくサービス業に就いていますが、忙しい日々の中でも、
一人一人がそういった心遣いをもって過ごすことができれば、より良いサービスを
提供できるのではないかと思いました。